愛媛大学総合健康センター

ワクチン接種

一人ひとりがワクチンを接種することで、自らが病気にかかりにくくなるだけでなく、「集団免疫」により社会に病気がまん延してしまうのを防ぎ、ワクチンを接種していない人や接種できない人も守ることになります。また、病気にかかったとしても、ワクチンを接種していた方は重い症状になることを防げる場合があります。ポリオ、ジフテリアなど、過去には命にかかわっていた重い感染症も、予防接種が拡大して今では流行しなくなりました。しかし、予防接種を受けないと、海外に渡航したときなどに感染したり、再び日本で流行する原因となったりするおそれがあります。

※総合健康センターではワクチン接種を行っていません。近くの医療機関にご相談ください。

ワクチン接種で防げる病気とそのワクチン

「ワクチンで防げる病気」をVPD(Vaccine Preventable Diseases)と呼びます。ワクチン接種によってすべてのVPDの感染を完全に防ぐことは難しいですが、 麻疹や風疹等はワクチン接種により98~99%の方で感染を防ぐことができます。

学校保健安全法で定められる感染症の症状や授業欠席についてはこちら

インフルエンザ:インフルエンザワクチン

インフルエンザはインフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症で、毎年流行するピークの時期は異なりますが、おおよそ12-3月に流行します。そのため毎年10-11月頃のワクチン接種がおすすめです。インフルエンザワクチンは発症予防だけでなく、重症化の予防効果が高いことがわかっています。流行する型は毎年変わるので、インフルエンザワクチンはぜひ毎年接種しましょう。

毎年秋にインフルエンザワクチン1回

新型コロナウイルス感染症(COVID-19):新型コロナワクチン

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が飛沫感染、接触感染することによっておこる感染症で、2019年末頃から今に至るまで世界中で流行しています。

令和6年3月31日まで無料(全額公費負担)で接種することができます。詳細は自治体のホームページで確認してください。

愛媛県についてはこちら(愛媛県庁/新型コロナワクチンの接種について (pref.ehime.jp)

麻疹(はしか):麻疹ワクチン、MRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)

麻疹は、麻疹ウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です。感染力は非常に強く、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、手洗いやマスクのみでの予防は困難です。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症すると言われています。

原則2回接種

未接種あるいは1回接種、接種歴不明の場合、患者との接触後、72時間以内であればワクチンにて発症の阻止、あるいは症状の軽減が期待できます。

風疹:風疹ワクチン、MRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)

風疹は、風疹ウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症で、強い感染力を有し、飛沫感染でヒトからヒトへ感染が伝播します。症状は無症状から重篤な合併症併発まで幅広く、特に成人で発症した場合は小児より重症化することがあります。また、妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、先天性風疹症候群の子どもが生まれてくる可能性が高くなります。

原則2回接種

水痘(みずぼうそう):水痘ワクチン

感染力が強いウイルスで、空気感染し、同じ部屋にいるだけでも感染することもあります。1回接種で水痘にかかるのを80-85%減らすことができ、重症化をほぼ100%防ぐことができるとされています。2回接種を行うことで一人一人の予防効果を高めるだけでなく、長期間の集団での流行を予防することができ、免疫不全の人や妊婦など水痘ワクチンを打てない人を守ることにもつながります。妊娠初期に水痘に感染すると、先天性水痘症候群という重症な病気になる子どもが生まれてくる可能性があります。

原則2回接種

患者との接触後、72時間以内であればワクチンにて発症の阻止、あるいは症状の軽減が期待できます。

流行性耳下膜炎(おたふくかぜ):ムンプスワクチン

流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスの飛沫感染により感染します。かかっても軽症の場合が多いのですが、重い合併症を引き起こすことがあります。特に大人になって感染すると、子どもに比べて重症化しやすく、合併症リスクが高くなります。後遺症として一生治らない重度の難聴があります。

原則2回接種

B型肝炎・肝臓がん:B型肝炎ワクチン

B型肝炎ウイルスは、体に入ると肝炎をおこし、長く肝臓にすみついて(慢性化・キャリア化)、肝硬変や肝臓がんをおこします。非常に感染力が強いウイルスで、毎年約2万人がかかっています。血液や体液を介して感染し、B型肝炎ウイルスキャリアの母親からの出産時に感染する場合(垂直感染)と、血液や唾液、汗、涙などの体液によってうつる場合(水平感染)があります。コンタクトスポーツの選手や関係者は、B型肝炎ワクチンの接種を推奨されています。

原則3回接種

日本脳炎:日本脳炎ワクチン

日本脳炎は日本脳炎ウイルスに感染したブタを蚊が吸血し、その蚊が人を刺すことで感染する感染症で、後遺症を残すことや死に至ることもあります。日本脳炎ウイルスを保有するブタは、日本でも広い地域で確認されていますが、ワクチン接種により、日本脳炎の罹患リスクを75~95%減らすことができると報告されています。

原則4回接種

1995年~2006年度生まれの人は、積極的接種勧奨の差し控えなどの事情によって、定期接種で本来受けるべき回数のワクチン接種を受けられていない可能性があります。その場合は、不足分を20歳の誕生日の前日まで接種できます(特例対象者)

ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がん、中咽頭がん、肛門がん、腟がん、外陰がん、陰茎がん、尖圭コンジローマ等):HPVワクチン

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症とは、HPVが感染する部位によって、子宮頸がんをはじめとした上記のがんや尖圭コンジローマなどの原因となるウイルス感染症です。主に性交渉で感染し、女性の多くが 一生に一度は感染するといわれています。
接種するワクチンや年齢によって2~3回接種

1997~2005年度生まれで、HPVワクチンの積極的接種勧奨の差し控えなどの事情によって、定期接種の対象年齢の間に接種を逃した方は、キャッチアップ接種として定期接種が可能です。住民票のある自治体のホームページを確認してください。

愛媛県についてはこちら(愛媛県庁/子宮頸がん予防ワクチンについて (pref.ehime.jp)

松山市についてはこちら(松山市/ヒトパピローマウイルス感染症の定期予防接種

侵襲性髄膜炎菌感染症:髄膜炎菌ワクチン

髄膜炎菌は飛沫感染により伝播し、敗血症や髄膜炎を起こし、急激に悪化して発症から24時間以内に死に至ることもあります。適切な治療を行っても、侵襲性髄膜炎菌感染症全体の致命率は 7~19%と報告されています。国内でも高校や大学の寮で集団感染や死亡例も報告されており、学生寮や運動部の合宿所などで集団生活をする人には、特に接種をお勧めします。

ワクチンは種類によって1~3回接種

接種から5年経つと効果は失われるため、5年ごとに接種が必要です。

海外留学・海外渡航の際にはワクチンを接種しましょう

海外では日本にはない病気や日本では流行していない感染症があり、その一部は予防接種を受けることで感染症にかかるリスクを下げることができます。また、入国や乗り継ぎ、留学先の学校の入学手続きの際に、ワクチン接種証明書を要求される場合もあります。

海外渡航の際には、渡航先や渡航期間、活動内容などに応じて、予防接種を受けて渡航しましょう。予防接種の種類によっては、数回接種する必要のあるものもありますので、なるべく早く(できるだけ出発3か月以上前から)、医療機関や検疫所で、接種するワクチンの種類と接種日程の相談をしましょう。

海外渡航で求められることがあるワクチン(トラベラーズワクチン

破傷風、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、日本脳炎、ポリオ(急性灰白髄炎)、黄熱、ジフテリア、麻疹、風疹、髄膜炎菌感染症、新型コロナウイルス 等

参考ホームページ

お役立ち資料集|国立国際医療研究センター病院 (ncgm.go.jp)

予防接種実施機関の探し方 (forth.go.jp)

FORTH|厚生労働省検疫所

海外留学 健康の手引き 2021年4月第4版

トラベルクリニック

トラベルクリニックとは、海外渡航前の予防・健康診断等から帰国後の体調不良への対応まで、海外に渡航される方が健康に過ごすことができるように総合的にサポートしてくれる医療機関のことです。

日本渡航医学会認定トラベルクリニック一覧(都道府県別)

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