大学は、学生や教職員等の人々が集団生活を営む場であり、感染症が発生した場合、感染が拡大しやすく大きな影響を及ぼす可能性があります。日頃から予防対策と体調管理に努めるとともに、発熱などの感染症の症状がある場合には、早めに医療機関を受診するなど、適切な行動がとれるようにしましょう。
正当な理由のある授業欠席について
感染症予防のため、学校保健安全法では、出席停止等の措置を講じています。その期間中の授業欠席については、正当な理由による授業欠席として認められる場合があります。「正当な理由による授業欠席について」を確認してください。なお、正当な理由による授業欠席の取扱いについて、不明な点などありましたら、所属学部チームまでご相談ください。
主な感染症と出席停止期間について
詳細はこちらからもご確認いただけます。
第一種の感染症(感染症法の一類および二類感染症(結核は含まない))
出席停止期間:治癒するまで
エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘瘡、南米出血熱、ペスト、マールブルグ熱、ラッサ熱、ポリオ、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(病原体がSARSコロナウイルスであるものに限る)、中東呼吸器症候群(病原体がMERSコロナウイルスであるものに限る)、鳥インフルエンザ(病原体がA型インフルエンザウイルスの亜型がH5N1、及びH7N9であるものに限る)
第二種の感染症(学校において流行を広げる可能性が高い感染症)
新型コロナウイルス感染症
出席停止期間 |
発症した後(発熱の翌日を1日目として)5日を経過し、かつ、症状が軽快した後1日を経過するまで |
症状 | 鼻水や咳、発熱、軽い喉の痛み、筋肉痛や体のだるさ(倦怠感)など、かぜのような症状が挙げられる。 |
予防法 | 一般的な飛沫感染対策(マスク、手洗い等)、ワクチン接種 |
インフルエンザ
出席停止期間 | 発症した後(発熱の翌日を1日目として)5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで |
症状 | 悪寒、頭痛、高熱(39-40℃)で発症。頭痛とともに咳、鼻汁で始まる場合もある。全身症状は倦怠感、頭痛、腰痛、筋肉痛など。呼吸器症状は咽頭痛、咳、鼻汁、鼻づまりなど。消化器症状が出現することもあり、嘔吐、下痢、腹痛がみられる |
予防法 | 一般的な飛沫感染対策(マスク、手洗い等)、ワクチン接種 |
インフルエンザと診断された場合
百日咳
出席停止期間 | 特有の咳が消失するまで又は5日間の適切な抗菌薬療法が終了するまで |
症状 | 病初期から、連続して止まらない咳が特徴で、発熱することは少ない。夜間に咳がひどくなる。年齢が低いほど症状は重く、前述の特徴的な咳が出始め、咳のために眠れなかったり、顔がむくんだりする。 |
予防法 | ワクチン接種 |
麻疹(はしか)
出席停止期間 | 解熱した後3日を経過するまで |
症状 | 典型例では、臨床的に、カタル期、発しん期、回復期に分けられる。カタル期には眼が充血し、涙や目やにが多くなる、咳、鼻水などの症状と発熱がみられ、口内の頬粘膜にコプリック斑という特徴的な白い斑点(粘膜疹)が見られる。熱が一旦下がりかけ、再び高熱が出てきたときに赤い発しんが生じて発しん期になる。発しんは耳の後ろから顔面にかけて出始め、身体全体に広がる。赤い発しんが消えた後に褐色の色素沈着が残るのが特徴。 |
予防法 |
ワクチン接種 ※マスクや手洗いは予防策としては不十分 患者との接触後、72時間以内であればワクチンにて発症の阻止、あるいは症状の軽減が期待できる。 |
風疹
出席停止期間 | 発しんが消失するまで |
症状 | 発熱と同時に発しん。淡紅色の発しんが全身に出現する。3-5日で消えて治ることが多い。発しんが消えた後は麻しんのような色素沈着は残さない。リンパ節の腫れは頚部、耳の後ろの部分にみられ、圧痛を伴う。発熱は一般に軽度で、気付かないこともある。 |
予防法 | 一般的な感染対策(マスク、手洗い等)、ワクチン接種 |
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
出席停止期間 | 耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで |
症状 | 全身の感染症だが耳下腺の腫脹が主症状で、顎下腺や舌下腺なども腫れる。腫れは2-3日でピークに達し、3-7日間、長くても10日間で消える。痛みを伴い、酸っぱいものを飲食すると強くなる。 |
予防法 | 一般的な感染対策(マスク、手洗い等)、ワクチン接種 |
水痘(水ぼうそう)
出席停止期間 | 全ての発しんがかさぶたになるまで |
症状 | 発しんは体と首のあたりから顔面に生じやすく、発熱を認めることが多い。 発しんは紅斑、水疱、膿疱、かさぶたの順に変化する。かゆみや疼痛を訴えることもある。 |
予防法 |
ワクチン接種 ※マスクや手洗いは予防策としては不十分 患者との接触後、72時間以内であればワクチンにて発症の阻止、あるいは症状の軽減が期待できる。 |
咽頭結膜熱(プール熱)
出席停止期間 | 発熱、咽頭炎、結膜炎などの主要症状が消退した後2日を経過するまで |
症状 | 高熱(39-40℃)、咽頭痛、頭痛、食欲不振を訴え、これらの症状が3-7日間続く。咽頭発赤、頚部・後頭部リンパ節の腫脹と圧痛を認めることもある。眼の症状としては、結膜充血、流涙、まぶしがる、めやに、耳前リンパ節腫脹などがある。代表的な夏風邪の一つ。 |
予防法 | 手洗い、プール前後のシャワーの励行、タオルを共用しない |
結核
出席停止期間 | 病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められるまで(目安として、異なった日の喀痰の塗抹検査の結果が連続して3回陰性となるまで) それ以降は、抗結核薬による治療中であっても登校(園)は可能。 なお、潜在性結核感染症(結核の感染を受けたが発病しておらず、無症状であるもの)の治療は、出席停止に該当しない。 |
症状 | 肺結核の症状は咳、喀痰、微熱が典型的。胸痛、呼吸困難、血痰、全身倦怠感、食欲不振等を伴うこともあるが、初期には無症状のことも多い。 |
予防法 | BCGワクチン接種 |
髄膜炎菌性髄膜炎
出席停止期間 | 病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで |
症状 |
高熱や皮膚・粘膜からの出血、関節炎が起こる。髄膜炎に進展すると頭痛、吐き気、首が固くなる硬直、精神状態の変化が起こる。劇症型の場合、突然の頭痛、高熱、けいれん、意識障害、DIC(汎発性血管内凝固症候群)を伴い、死に至ることもある。 |
予防法 | ワクチン接種 |
第三種の感染症(飛沫感染が主体ではないが、放置すれば流行拡大の可能性がある感染)
出席停止期間:病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで
コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎、その他の感染症
(その他の感染症の詳細はこちらのP22以降をご確認ください。)
予防に関する情報
- ワクチン接種|健康教育・健康情報|愛媛大学総合健康センター (ehime-u.ac.jp)
- 予防接種情報(厚生労働省ホームページ)
- マンガでわかる!大学生のVPDブック *VPDとは、Vaccine Preventable Diseases の略語で、『ワクチンで防げる病気』のことです。
- 嘔吐物処理.pdf
必携!!キャンパスでの感染症HANDBOOK 2024
大学生が知っておくべき感染症についての予防に関する知識をまとめたハンドブックです。ぜひご一読ください!
【内容】
- ポストパンデミック時代を迎えて
- HIV/エイズの基礎知識
- 性感染症からパートナーを守ろう!
- 海外での感染症対策
- 結核にも注意が必要
- 知っておきたい感染症と予防接種